引張試験とは

引張試験について

引張試験は、材料に引張力(引っ張る力)を加え、その材料がどの程度の力に耐えられるかを評価する試験です。試験片が破断するまでの応力(力)とひずみ(変形)の関係を測定し、材料の強度や延性といった特性を数値的に評価します。

本稿では、プラスチック、ゴム、紙、布など、さまざまな材料を1台で試験できる万能試験機について解説します。分子レベルでの引張試験、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)やラマン分光測定装置と組み合わせた試験については、別のサイトで詳しく解説しています。

分子レベルでの引張試験について詳しい情報は、別のサイトをご覧ください。

引張試験の目的

引張試験は、材料の基本的な機械的特性を評価し、製品の設計、開発、品質管理、故障解析などに役立てることを目的としています。具体的には、以下の目的で実施されます。

具体的には、
 材料の基本特性評価:引張強度、弾性率、伸び率、破断点などの特性を測定します
 設計や製品開発の基礎データ取得:製品設計や構造計算に必要なデータを提供します。
 品質管理と信頼性保証:製品が所定の品質基準を満たしているかを確認します。
 材料選定や比較:異なる材料や加工条件の比較を行います。
 故障解析:製品の破損原因を特定するために行われます。

引張試験で測定できること

引張試験の方法

引張試験は、以下の手順で実施します。
1. 試験片の準備:規格に基づいた形状と寸法の試験片を準備します。
2. 試験片の固定:荷重センサーやひずみゲージが搭載した引張試験機に、試験片の両端を固定します。。
3. 引張力の適用:制御された引張力で試験片を徐々に引き離します。
4. データの測定:荷重センサーで加えられた力(応力)、ひずみゲージで試験片の伸び(ひずみ)を測定します。

試験データの解析

測定データを使用して、応力-ひずみ曲線(S-S曲線)を作成します。この曲線は、材料に外力が作用した際の変形(ひずみ)と、その過程で材料内部に発生する抵抗力(応力)との関係を示しています。この関係は、材料の機械的特性を評価する上で極めて重要です。
具体的には、以下の特性を評価できます。

ひずみ曲線


引張強度:曲線上の最大応力値から、材料が破断する前に耐えられる最大の応力が把握できます。
ヤング率:弾性領域の傾きから、材料の剛性(変形のしにくさ)を示すヤング率を算出できます。
破断:材料が最終的に破断する応力が分かります。
弾性領域と塑性領域:材料に加えた荷重を取除いた時に、材料が元の形に戻る弾性領域とが永久変形する 塑性領域を特定できます。

まとめ

引張試験は、材料の機械的特性を評価するための基本的かつ重要な試験です。
試験結果は、設計、製造、品質管理、故障解析など、さまざまな場面で活用されます。
特に、応力-ひずみ曲線から得られる情報は、材料の選択や製品の信頼性を高めるために不可欠です。

SEM、レーザー顕微鏡、デジタルマイクロスコープといった装置との組み合わせて、分子レベルでの引張試験については、別のサイトで詳しく解説していますのでそちらもご参照ください。

SEM、レーザー顕微鏡、デジタルマイクロスコープといった装置との組み合わせ、全固体電池やCFRPなど様々な素材の研究開発に使用されています。