食品を取り扱う施設では、HACCP対策や食中毒対策のために徹底的に衛生管理を行うことが欠かせません。
ここでは、ATPだけでなくADPやAMPなど幅広い汚れや菌を検出でき、ATPふき取り検査(A3法)で用いられて、今注目のアイテム「ルシパック」について解説します。
用語について
ATP:生き物を含む多くの有機物に含まれる、アデノシン三リン酸
ADP:アデノシン二リン酸
AMP:アデノシン一リン酸
食中毒リスクを見える化するアイテム
飲食店や給食センターのほかにも食品製造工場や病院など、日々食品を取り扱う施設では、どのような食中毒対策を行っているのでしょうか。
大半が厨房機器や調理器具の洗浄や消毒をしていると答えるかもしれません。
手間や時間をかけて衛生管理を行うことで食中毒リスクを軽減することができますが、実際には目に見えない汚れや菌が残ってしまっている可能性も否定できません。
万が一、厨房機器や調理器具に見えない汚れや菌が残ったまま、お客様に食品を提供してしまうと食中毒を引き起こすおそれがあります。
また、食品に人の手が触れることで食中毒リスクを高めるケースも増えています。
しっかりと手を洗い消毒したつもりでも、手のひらや甲には汚れや菌が残ってしまっているかもしれません。
さまざまな食中毒対策がありますが、近年注目を集めているのが「キッコーマンバイオケミファ株式会社」が開発した「ルシパック」を使った対策法です。
食品を扱う企業だけでなく医療機関や行政機関でも活用されています。
ルシパックは、目に見えない汚れや菌をスピーディーに検出することができ、食中毒リスクを見える化します。
人間の目では確認することが困難な微細な汚れや菌も、高感度で検出することができるのです。
事前に洗浄や消毒をしたうえでルシパックを使用すれば、スムーズに汚れや菌を検出し判定へと導いてくれます。
わずか10秒でリスクを数値化
手間や時間をかけずに食中毒対策を行いたいという方にとってルシパックは欠かせない製品といえるでしょう。
驚くことに検出結果が出るまでにわずか10秒しかかかりません。
忙しく仕事をしている中で食中毒対策を行わなければならない場合、時間のかかる方法では従業員が大きなストレスを負いかねません。
ルシパックは、一般的な菌種判別とは違い、10秒ほどで検査結果を導き出せます。
菌種判別は、検査してから2~3日後に判定結果が出ることもあり、迅速に結果を得たい方にはデメリットだと捉えられてしまうかもしれません。
しかし、ルシパックの場合測定時間はわずか10秒となっており、拭き取りから検出結果が出るまで1分ほどです。
誰が測定しても、検出結果をスピーディーに導き出すことができるのです。
従業員の衛生意識を上げる
ルシパックは、難しい操作をすることなく、簡単に目に見えない汚れや菌を検査することが可能です。
そのため、機械操作が苦手な従業員も安心して使用することができます。
スピーディーに食中毒対策が行えるため、従業員の負担を大幅に軽減することにつながります。
ルシパックは、ATPやADPのほかにもAMPの総量を数値化することもできます。
従来の検査では数値で管理することが難しく、衛生管理に時間がかかっていただけでなく、従業員のモチベーション低下という課題の一つとなっていました。
しかし、ルシパックを活用することで効率化でき、無駄のない衛生管理が行えるようになります。
また、HACCP対策や食中毒対策を課題としている企業では、従業員の衛生教育を行う際にもルシパックが役立つことは間違いありません。
従業員の手洗い教育や効果的な衛生教育のほか、指導を行う際にもルシパックを活用すると、従業員が自主性を持って改善に取り組めます。
簡単な操作で使用可能
使用時に用意するのは、ルシパックとルミテスターの2点のみです。
ルシパックの使い方
ルシパックの使い方は、やり方さえ覚えてしまえばスムーズに使用できます。
検査対象物の表面10cm×10cmをまんべんなく拭き取りながら使用します。
本体部分の先端に綿棒がついており、使用時には綿球部分を回転させながら、綿棒がしなるようにしっかりと拭き取っていくことがポイントです。
検査対象が手指の場合には、手のひらを横に5往復、さらに縦に5往復拭き取ります。
さらに指の間や指先を拭き取り、ルミテスターSmartで測定します。
ルシパックの種類をご紹介
※商品によって使用方法が違うため、ご注意ください。
- 【試薬】ルシパック A3 Surface(乾燥綿棒)
- 【試薬】ルシパック A3 Water(液体測定用)
- ルシパック Pen
ルミテスターSmartの使い方
ルミテスターSmartは、ルシパックを測定室に入れてカバーを閉め、わずか10秒で測定結果を導き出せるアイテムです。
操作パネルのスタートボタンを押すだけで、測定結果がスピーディーにわかるため、初めて使用する方も安心です。
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【お届けについて】
※ルミテスターは通常便でお届け
※ルシパックは冷蔵便でお届け
ルシパックの活用方法
ルシパックは、多くの企業で衛生管理の改善や向上を目的に活用されています。
食品製造工場
たとえば、食品製造工場では、ルシパックを活用して食中毒対策だけでなく、アレルゲン対策のためにリアルタイムで洗浄管理を行う企業も少なくありません。
すでにルシパックを活用している食品製造工場では、現場主体で衛生管理を行っており、従業員の衛生意識を向上させることに成功しています。
医療機関
また、医療機関では、院内感染対策のためにルシパックを活用するところも増えているのです。
手指の衛生管理や消化器内視鏡の洗浄のほか、銅製小物の洗浄などさまざまな場面で衛生管理対策に役立てられています。
ルシパックの活用方法は、業種によって違いがあるものの、効果的な衛生管理に重要な役割を果たしています。
汚れの指標となる3つの菌を検出
効率良く食中毒対策を行うには、ATPやADP、AMPなどの物質を検出することが重要です。
この3つの物質は汚れの指標となっており、肉や魚、野菜などの食品だけでなく人間の汗や唾液にも含まれています。
ATPやADP、AMPなど人間に害を与える物質を除去することができれば、食中毒リスクだけでなく感染症汚染のリスクや清掃・洗浄残りなども効率良く対策することが可能です。
従来行われていた微生物検査では、食品や調理器具などに付いた細菌を調べることができましたが、結果が出るまでに長時間を要する点が課題となっていました。
また、培養技術の習得も必要であったこともスムーズに検出結果を導き出せなかった理由の一つです。
しかしルシパックは、洗浄・消毒した箇所を拭き取るだけでその場で数値化することが可能です。
活用可能範囲は幅広く、食品・医療・行政など分野は問いません。
洗浄や殺菌が不十分な状態を確認できるのはもちろん、食物残渣の有無も調べられます。
HACCPや食中毒、さらにはアレルゲン管理など見逃したくない衛生管理を徹底的に行いたいのであれば、効率良く汚れや菌を発見できるルシパックを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回ご紹介したルシパックは、リスクを把握して現場の改善や従業員の衛生管理向上にも嬉しい効果を期待できます。
誰でも簡単に使用でき、検出結果を得るまでの時間はわずか10秒です。
効率の良い衛生管理を行いたい方におすすめのアイテムと言えるでしょう。