食中毒やアレルゲンをしっかりと予防したいと思っても、人間の肉眼で見える菌はほとんどいません。
明らかに汚れている、カビが発生しているなど見えていれば予防できますが、そうでなければきれいだと感じそのまま作業をしてしまいます。
お客様や患者様が利用するような場所では、菌をそのままにしてしまうと後から食中毒や感染症のリスクを高めるため大変です。
こちらでは、簡単に衛生管理ができるATP検査(A3法)について解説していきます。
ATP検査(A3法)とは?
ATP検査(A3法)とは、生き物を含む多くの有機物に含まれるATP(アデノシン三リン酸)を汚れの指標とした検査方法です。
測定時間は約10秒ですので、わざわざ検査の時間を作らなくても毎日の流れ作業の中で簡単にできます。
ATP(アデノシン三リン酸)だけでなく、ADP(アデノシン二リン酸)、AMP(アデノシン一リン酸)も一緒に検査できるのも特徴です。
食中毒や感染症に関わる菌がどの程度いるか、一目でわかります。
すでに導入している企業も多い
食中毒や新型コロナウイルスをはじめとした感染症の問題もあり、すでに導入している企業も多くあります。
飲食店や医療機関など、直接的に食中毒や感染症に関わる企業だけでなく、地方自治体などでも採用されています。
何かが起きてからでは遅いため、その前にしっかりと対策をしておこうという考えから注目もされています。
ATP検査(A3法)のメリット
ATP検査(A3法)は、検査をすると結果が10秒程度で出てくるだけでなく、さまざまなメリットがあります。
こちらでは、利用するメリットをいくつか紹介していきます。
その場でわかるからすぐに対策ができる
検査ができても、結果が出るまでに数日かかるようではその間どの程度の菌が存在しているのかわかりません。
多くの菌が存在している環境で、作業などをしてしまいリスクも高くなります。
10秒程度で結果がわかるため、悪い結果だった場合はすぐに消毒する、換気するなど菌を減らす対策ができます。
操作も難しくない
検査となると、やり方が難しいのではないかと思う方もいるかもしれません。
ATP検査(A3法)は非常に簡単で、新しいことをするのは苦手という方でも難しくありません。
キッコーマンのルミテスターとルシパックという商品を使用します。
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【お届けについて】
※ルミテスターは通常便でお届け
※ルシパックは冷蔵便でお届け
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汚れているのかハッキリわかる
目に見えないので、普段利用する場所が「汚れているかもしれない」と思っても、実際はよくわからないものです。
人間の目視だけでは、数値化できません。
しかしATP検査(A3法)を使えば、汚れの指標としているATP, ADP, AMPの総量を数値化するため、どの程度の菌がいるのかわかります。
なんとなくではなくハッキリと数値でわかる分、対策もしやすくなるのです。
高感度に検出できる
本来菌がいるにもかかわらず、良い結果で出てきてしまう場合もあります。
ATP検査(A3法)は、菌をしっかりと察知して、高感度でどの程度いたのかを数値で結果を出してくれます。
見えない菌にも確実に反応し、汚れに対し危機感を持ちながら対策ができます。
ATP検査(A3法)の活用分野について
さまざまな企業でATP検査(A3法)が使われているため、活用分野も多岐にわたります。
食品製造や外食系をはじめ、清掃、環境衛生、医療、植物工業などあらゆる分野で利用されているのです。
こちらではいくつかピックアップして、紹介していきます。
食品製造
食品はさまざまな要因で、菌が繁殖しやすく食中毒の原因になります。
そのため、利用している企業も多いです。
食品の製造装置や調理器具の洗浄後、製造を開始する前にしっかりと洗浄ができているのかを確認できます。
洗い残しがあると、カビや菌などの微生物、アレルギー物質、品質に影響を与える食品残渣などのリスクが存在します。
ATPふき取り検査(A3法)は、アレルゲンを直接測定はできません。
しかし、洗浄不足による食品残渣を高感度で検出できるため、日常的な洗浄管理に用いることでアレルゲンの交差接触を予防できるのです。
衛生管理の手法であるHACCPや、食品安全規格である FSSC22000・ISO22000などの一般衛生管理、重要な一般衛生管理(OPRP)でも活用されています。
外食
外食でも、食品を扱い、さまざまなお客様が出入りする環境があるため、ATP検査(A3法)が利用されています。
特に食中毒予防では、細菌を付けない、増やさない、やっつけることの3原則と、原因ウイルスを持ち込まない、ひろげない、つけない、やっつけるの4原則を徹底することとなるため、きちんと清掃・洗浄できたかの確認としてATP検査(A3法)は活躍します。
食品を扱う調理場だけでなく、お客様が座って飲食できる席などの環境衛生でも非常に重要です。
調理する際に従業員が気を付けていても、店内の衛生面が悪く細菌が繁殖してしまう可能性があります。
お手洗い、ドアノブ、券売機など、お客さんがよく利用される箇所にも菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。
給食
給食も作る際も、子どもたちが食中毒やアレルギーを起こさないように配慮が必要です。
微量でも、食物アレルギーを引き起こしてしまう子どももいるかもしれません。
本来入るはずではないものが、少しでも混入・残留してしまうと大変なことになります。
細菌のチェックをしっかりと行わないで調理をしてしまうと、集団食中毒を引き起こすリスクも高まります。
食材や調理する器具のほかにも、それらを調理する人にも菌が付いていないことが重要です。
ATP検査(A3法)は高感度で菌の繁殖を察知できるので、よく利用されています。
活用のポイントとは?
ATP検査(A3法)を利用する活用のポイントについて、いくつか紹介していきます。
リスクを感じる箇所は万遍なく使う
目では見えない菌が多いので、食中毒や感染症の原因になりそうな箇所はすべて使ってみましょう。
思い込みで「こんなに消毒したのだから調理器具は問題ないだろう」と感じていても、ほとんど消毒効果が発揮されず菌が多数付いている可能性があります。
菌が繁殖しやすいと言われている箇所は、大丈夫だと感じても万遍なく検査をして客観的に菌の数を見ましょう。
汚れているとわかったらすぐに対処する
明らかに数値でおかしいとわかった時には、再度消毒など対処をしましょう。
今は時間がないからとそのままで…と調理などをしてしまうと、リスクが高まります。
検査にはほとんど時間がかからないため、結果が出たらすぐにきれいにします。
そして、もう一度検査をして問題がないかを確認しましょう。
普段の作業の一部に取りいれる
検査を行うスパンを空けてしまうと、何もしていなかった時に消毒がしっかりとされず菌が繁殖していたのに、気が付かないことも考えられます。
菌が繁殖していて不衛生のまま作業するのは危険なので、普段の業務中の一部として検査を頻繁に行いましょう。
専用のアプリも使う
測定データの管理ができる、Lumitesterというアプリを一緒に使うのもポイントです。
これまでの測定データを蓄積してくれますし、自動グラフで簡単に測定データを可視化できます。
使い方のサポートもありますので、一緒に活用してみましょう。
まとめ
菌は目に見えないものばかりですので、なんとなくでの消毒は危険です。
やっているつもりでも実は菌が繁殖していて、食中毒や感染症を引き起こしてしまう可能性があります。
後から大変なことになる前に、ATP検査(A3法)を積極的に活用しましょう。
高感度で菌がどの程度いるのか数値化してくれるため、客観的にわかります。
結果も10秒程度でわかるため、すぐに対策も可能です。
使い方も簡単ですし、測定データを蓄積できるアプリもあります。
すでに導入している企業は多いので、ぜひ使ってみてください。