より正確に寸法を測りたい時、ダイヤルゲージがあると便利です。
曲がり部分などは、ノギスやマイクロメーターでは上手に測れません。
この時ダイヤルゲージがあると、変化分を読み取りやすく、使いやすいです。
より正確に測るためにも、一つ準備しておくと良いでしょう。
ここからは「ダイヤルゲージの特徴や種類について」紹介していきます。
ダイヤルゲージとは?
正確な測定値を出すために、本尺目盛の付いたスケール部とそのスケールのベース部、及びトースカン(ケガキ工具)をすべて一つにしたものをダイヤルゲージと言います。
精密に測らなくてはいけない現場では、ダイヤルゲージが活用しています。
直線運動だけでなく、円弧運動も機械的に拡大し、その動きを短針と長針で読み取ります。
測定の長さは短く、直接測定よりも比較測定に使われる場合がほとんどです。
ダイヤルゲージの特徴
変化分を測ろうとした時、ノギスなどでは難しいです。
寸法を直接測れるノギスやマイクロメーターと一緒に、ダイヤルゲージもあると曲がりや偏心も読み取りができるため便利です。
実際多くの現場でも、ダイヤルゲージも一緒に準備しています。
ダイヤルゲージは1種類ではなく、スピンドル式やテコ式があります。
それぞれにほかよりも優れている部分もあれば劣ってしまう部分もありますので、使い分けが必要です。
たとえば、テコ式を選んだ時、分解能が高く頼りになりますが、ストロークは1mm以下のごくわずかな範囲しかないデメリットがあります。
そして、ノギスなどと違う点は、スタンドなどに固定しないと使えません。
ノギスやマイクロメーターは単体でも使用できますが、ダイヤルゲージは固定が必須です。
その代わり、曲がりのような幾何公差を測定できます。
寸法の変化を見たい時には、ハイトゲージやシリンダーゲージなど他の測定器と組み合わせることも可能です。
より寸法の測れる範囲も広がり、精密で正確に把握できます。
ダイヤルゲージは一見複雑そうに見えますが、構造がシンプルです。
正しく使用すれば、測定値の信頼性も高く、多くの現場で必須アイテムとなっています。
ダイヤルゲージの種類
ダイヤルゲージにはいくつか種類があります。
それぞれ得意な部分・苦手な部分など特徴がありますので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
ここからは、ダイヤルゲージの種類について紹介していきます。
テコ式ダイヤルゲージ
テコ式の場合は、テコの反対部分に大きな歯車があり、動かしています。
どの程度テコの角度が動いたかにより、歯数の少ないギアの軸が回転し、針を大きく動かす仕組みです。
メリットとして、高い分解能を持っています。
デメリットとして、変動が大きいと、本来の値よりも小さく出てしまう場合があります。
万が一、テコ式では本来測定範囲以上となっても、連結部分が滑るため、内部が壊れにくくなっています。
ダイヤルゲージを始め、分解能が高いとその分誤作動も起きやすく、壊れてしまう心配もあるものです。
しかし、テコ式は巧妙にできているため壊れる心配が少ないです。
現場で使っていて、大事な時に壊れてしまっては困るため、テコ式ダイヤルゲージは使いやすさを感じられるでしょう。
スピンドル式ダイヤルゲージ
スピンドル式ダイヤルゲージは、上下動をラックギアとピニオンギアでダイヤルを回転させます。
この時の変化を見やすく拡大して表示させます。
ラックギアが切ってあり、ピニオンギアが回転することで、スピンドルの棒のわずかな動きを測りダイヤルの回転に変えているのです。
ダイヤルゲージの中でも、スピンドル式はストロークが長く取れます。
対象物の中でも変化が大きい場合も、見る時に便利です。
特に製造業の方の中でも、金属加工を主に行っている方にとっては使いやすいでしょう。
精度としてもちょうど良く見やすいです。
1回転でちょうど1mmを表示するようになっているのですが、中央下にも小さい針表示があるため、1回転を超えた変位もわかるようになっています。
デジタルインジケータ
主にはテコ式ダイヤルゲージとスピンドル式ダイヤルゲージの2種類になりますが、このほかにデジタルインジケータもあります。
ダイヤルゲージのように変化分をデジタル表示しますが、少し壊れやすいという難点があります。
デジタルリニアスケールとなっていて、精密な造りです。
現場によって、落としやすいような場所で使用しなければならない時は要注意です。
1μm程度の分解能を持っていて、性能は安心して使えます。
ダイヤルゲージの選び方
ダイヤルゲージを選ぶ時には、まずテコ式かスピンドル式のどちらにするのかを決めます。
それぞれメリットとデメリットがあるため、より自分達の製造しているものに合うものをチョイスすると良いでしょう。
設備の静的精度がどの程度か測る時にはテコ式を選び、寸法の精度を測る時にはスピンドル式がピッタリです。
動きが大きいものを測りたい場合は、スピンドル式を選んだほうが測りやすく感じるでしょう。
さまざまな用途に使う場合は、測るものに合わせてダイヤルゲージも2種類準備しその時々に合わせて使うのもおすすめです。
ダイヤルゲージのメリット
ダイヤルゲージを使って測ると、さまざまなメリットがあります。
そんなに価格が高くない
精密に測れますが、比較的安価な機器なため購入する際も安心です。
少しでも経費を削減したいと考えている企業は多いと思いますので、価格が安いというのは助かるのではないでしょうか。
特にテコ式ダイヤルゲージは、測る際に許容範囲を超えても、壊れてしまうわけではなく長持ちしやすいです。
価格が高くないのに精度はいい
値段が安いとその分精度も落ちてしまうイメージはないでしょうか。
ダイヤルゲージはそんなに価格が高いわけではありませんが、精度が良いのです。
最近では、専用測定機器も販売されています。
治具も安価
ダイヤルゲージ本体だけでなく、治具も安価で購入しやすいのもメリットです。
ワークを固定や回転させるためには治具が必ず必要となりますが、一緒に揃える場合でもそんなに高くないため安心です。
ダイヤルゲージのデメリット
ダイヤルゲージを使う際にはデメリットもありますので、一緒に把握しておきましょう。
複数を検査したい場合は大変
一気にさまざまな箇所を検査するというのは難しいため、多数検査には向いていません。
ダイヤルゲージは、対象物を1個ずつしか設置できません。
そのため複数検査したい場合1個ずつ手順を追っていくため、時間がかかってしまいます。
さらに使用する前には校正も必要なため、複数検査するのは向いていないと言えるでしょう。
汚れやすい
何も液体などが付いていない場合は良いのですが、油や液体が付いている場合は危険です。
汚れやすいため、そういったものには使えません。
ほかにも粉塵などにも弱いため、金属加工装置への搭載はできません。
正しく使えないと誤差も多い
慣れるまでに、ダイヤルゲージは少し使いにくさを感じてしまうかもしれません。
正しく使えないと測定誤差が出やすくなります。
少しのミスが、誤差につながり仕上がりにも影響が出てしまうため注意が必要です。
アームが少したわんだだけでも影響が出てしまうので、適切にセットしてからでなければミスが起きやすくなります。
まとめ
ダイヤルゲージは、曲がりや偏心なども測れるため、なくてはならないものです。
価格も高すぎるものではないため、購入しやすく使いやすいです。
種類はテコ式ダイヤルゲージと、スピンドル式ダイヤルゲージに分かれます。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、測りたい製品に合わせて選ぶと良いでしょう。
正しくセットしてから測れば、精度も高いです。