温度ロガーは温度を測定したうえでデータの記録や監視ができる便利な機器です。
しかも、防水性能付きなら屋外での使用や水温チェックにも使うことができます。
今回は、佐藤計量器の防水型無線温度ロガー(分離タイプ) SK-320BT-Cについてレビューしていきます。
防水型無線温度ロガー(分離タイプ)SK-320BT-C
Bluetooth機能が付いており、スマートフォンなどの携帯端末と無線で通信し、遠隔での測定値の確認や管理ができるのが便利です。
スマートフォンなどの携帯端末が必要ですが、複数台と同時接続が可能で、測定場所の温度データをまとめて表示・収集して管理できます。
さまざまな場所で使える
さまざまな場所で使えるので、複数台購入する活用法もあります。
複数台の温度ロガーをスマホなどにつないで、一括でデータ管理できるのも便利です。
主な使用場所や活用法をレビューします。
温度測定
測定範囲が-50.0〜150.0℃と非常に広範囲で、冷凍庫や高温の場所まで対応できます。
注意点はこちらです。
- センサパイプからセンサコード部分まで常時水没して使用できます。
(常時水没の場合は0〜100℃の範囲内でご使用ください。) - 一般空気(気体)を測定する場合や、センサパイプのみ水没して使用する場合は−50 〜 150℃で使用できます。
- 液体に含まれる成分によってはセンサ部が腐食(劣化)することがあります。
- センサ部に影響を与える液体(溶液)で使用しないでください。
機器や設備の温度管理に
冷蔵庫や貯蔵庫、恒湿槽などの温度管理にも便利です。
果物や野菜を育てるビニールハウスや、ワインなどの長期保存を行う貯蔵庫は、常に一定の温度を保つことが求められます。
-50~150℃の範囲の場所であれば、温度センサーを冷蔵庫や貯蔵庫内の測定場所設置し、設備のドアを開けずに温度をモニター可能です。
地温測定
温度センサーを土壌に突き刺すことができるので、地中温度の測定も可能です。
ビニールハウス内をはじめ、畑などの温度測定などに使えます。
野菜や果物の栽培においては、わずかな温度の差で成長に影響を与えることがあります。
収穫のタイミングや品質にも差が出るので、適切に温度の管理ができるのは便利です。
水温測定
本体を水没しての測定はできませんが、センサーパイプからコード部分までは常時水没させた状態で使えます。
水温を測るために水没させる場合は、0~100℃の範囲で使うことが必要です。
使い道としては、貯水槽や生けす、各種タンクやプールなどの水温管理に活用できます。
ただし、気を付けたいのは水の測定だけに限定されることです。
液体の薬品などの水温管理はできないので注意しましょう。
便利なポイント
温度測定センサは本体から伸びているコード(約2m)の先端部
- 室内環境や冷蔵庫内の温度測定:本体・センサ部を測定場所へ設置
- 冷凍庫や高温装置内の温度測定:センサ部を測定場所へ設置
- 水温測定:センサ部を水中に設置
- 地温測定:センサ部を地面に突き刺す
※本体は、スタンド(付属品)を装着して机や台上に置いて使用することができます。
温度に対する高い反応性
温度を測定するセンサ部は外出し構造で、室内環境の温度測定だけでなく幅広い用途で温度測定と記録ができます。
例:水温測定、冷蔵庫内の温度測定、地面に埋め込み地温測定など
電波OFFモードを搭載
本体の電波送信を手動でOFFにできます。
- 電波の制限がある環境(航空機など)でも記録が可能
- 電波を送信せず、温度記録のみの用途に使用も可能
長期間の測定、記録に対応
アルカリ電池使用時約1年の電池寿命(記録間隔などの条件により電池寿命は異なる)です。
回転フタにより簡単に電池交換が可能(ドライバーなどの工具不要)です。
LED表示機能
本体上部のLEDにより、色や点灯タイミングで状態がわかります。
本体が記録状態のときのLEDの色は、専用アプリで個別に設定することができます。
複数台使用時など識別するのにとてもスムーズです。
LEDの明るさは5段階に変更でき、消灯することもできます。
専用アプリで設定したLEDの色と明るさは、他の携帯端末でも共有されます。
専用アプリ「SKSATO 320BT」でできること
専用アプリはApp StoreまたはGoogle Playより最新バージョンを入手できます。
専用アプリは「SKSATO 320BT」です。
携帯端末の動作条件として、Bluetooth 4.0以上を搭載していることが必要です。
※その他にも条件があるので、使用前に確認しましょう。
8台同時モニター
携帯端末1台に対して、最大8台の本体を同時に接続可能です。
また、本体1台に対して、複数台の携帯端末を同時に接続も可能です。
専用アプリを使用して、複数台の携帯端末で本体データの情報共有もできます。
(SK-320BTとSK-320BT-Cの組み合わせも可能です。)
グラフ表示
本体に記録したデータを携帯端末に取得し、グラフ表示できるため、数値を可視化しやすくなります。
グラフの表示は、1時間・1日・1週間・1ヶ月・3ヶ月・1年から選択できます。
アラームを設定した場合には、アラームのHiとLoの設定値を点線で表示するので、基準値を上回ったか下回ったかも一目瞭然です。
一定期間のスパンで、どのような傾向であったか把握するのに重宝します。
記憶モードの設定をしっかりと
測定値を記録するモードの設定は重要です。
これをしておかないと、思っていた記録ができていないトラブルも起きかねません。
まず、記録モードは2種類から選択できます。
- ワンタイム:メモリがいっぱいになると記録を自動停止するモードです。
- エンドレス:メモリがいっぱいになると、自動的に先頭データから上書きして記録を継続し続けるモードです。
測定値を記録する記録間隔の設定は、6種類から選べます。
1分、5分、10分、15分、30分、60分となっているので、必要な設定を行いましょう。
記録容量は最大8,960データです。
記録間隔60分の設定で、約1年の記録が可能です。
記録したデータは専用アプリを使用して、CSV形式でパソコンなどへメール送信が可能です。
CSVファイルをパソコンへ送れば、データ保存するとともに表計算ソフトなどでデータ解析も可能です。
まとめ
佐藤計量器の「防水型無線温度ロガー(分離タイプ)SK-320BT-C」は-50.0~150.0°Cまで測ることができ、気温をはじめ、水温や地温、冷凍庫や貯蔵庫などの温度も測れます。
Bluetooth搭載で、専用アプリをダウンロードしたスマホやタブレットに、記録状況を連携できるので遠隔監視が可能です。
専用アプリでは、グラフ表示やCSV形式データをパソコンへメール送信できるなど便利です。