農業で収穫率を上げるためには、ビニールハウス内の条件を良くしていかなければなりません。
中でも植物は光合成を行うため、日射をいかに制御できるかは重要です。
日光が当たらない時間が続くのもダメですが、当たりすぎても良くありません。
こちらではビニールハウスで日射を制御する方法や利用しやすい機器についても紹介していきます。
植物が成長するために必要な光合成
農業でさまざまな作物を育てる時に、光は重要な役割を果たします。
おいしい農作物に成長するためにも、光合成は必要です。
この光合成は単独で行うことができず、農作物も植物の一つで水、二酸化炭素、光を必要とします。
どんな光でも良いわけではなく、可視光と呼ばれる光でなければなりません。
できる限り光合成を促せる可視光を当て、上手に育てていくのが収穫量を上げるコツです。
光の強さが強ければいいわけではない
光合成をさせようと思ったら、しっかりと光を届けるためにも、強さが増すほど良いのではないかと感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、光が増えれば増える程光合成を行う速さには影響が出てきますが、ある一定の量を過ぎると逆に勢いがなくなってしまいます。
とにかく光を当てれば成長しておいしい農作物が育つわけではないため、適度に日射を制御する必要があります。
上手にコントロールしたほうが、生成される糖も増えやすくなり蓄積され果実も大きくなりやすいです。
季節によって変わる日射を制御する
農作物を上手に育てるためには、日射を制御しコントロールする必要があります。
特に日本では四季があるため、どうしても日射の長さも変わってきます。
さらに、天気も一定ではありません。
晴天で雲一つない青空の時もあれば、雨降りでほとんど太陽の光が出ていない時もあります。
日射の強さも異なり、弱くて勢いがない時から強い時までさまざまです。
夏と冬では、日差しの強さも変わり農作物への影響も変わってきます。
適度に弱い光が良い場合もある
光合成を促すためにはある程度強い光を当てたほうが良いと感じますが、適度に弱い光を当てるのが良い場合もないわけではありません。
そのため、日中だけでなく夜間にも、優しく人工照明を照らすケースもあります。
適度にちょうど良い光が当たるほうが、農作物が育ちやすいことがあるためです。
本来必要のない過剰な光を当てるよりも、夜間に優しく照らすほうが光合成の量を効率的に増やすことができます。
日射を制御するために必要なこと
ビニールハウスの中でどの程度農作物が日射を浴びているのかは、目視ではわかりません。
しっかりと本来の量を知るためにも、測定器を使う必要が出てきます。
数値化させることで、本来必要な光が届いているのか、逆に過剰に届きすぎて農作物の成長に悪影響を与えるのかわかってきます。
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日射が悪影響を与えていれば対策が大切
ビニールハウスの中で日射を制御するには、いくつかの方法があります。
上手に適量の光を浴びさせることで、元気な農作物が育ちます。
どんな対策があるのか見ていきましょう。
散乱光化させてくれるフィルムを使う
しっかりと日射を浴びさせるためには、ダイレクトに当ててあげるのが良いと感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、光がしっかりと当たらないとスムーズな光合成につながらないため、ダイレクトに当てるのが正解と感じている方も多いでしょう。
しかし、実際にはダイレクトに当ててしまうよりも、光を散乱させて四方八方に放出するのがおすすめです。
光を散乱させる分、ビニールハウス内の農作物へ優しく万遍ない光が当たります。
特に真夏日のような時は日射も強すぎて、農作物の葉が焼けてしまいます。
上手に光を散乱させられると、どこかの葉だけが焼けてしまうリスクも抑えて光合成量のアップも期待できるのです。
光反射シートを使う
なかなか日射が当たらない場合、上手に反射させることで光を効率的に当てられます。
専用の反射シートを使えば、多くの農作物に光を当てられます。
反射率も高く、何も使わないよりも効率的です。
耐熱性が良いものも多く、真夏などに起きやすい地温の上昇をビニールハウス内に敷いて抑えることもできます。
遮光資材を使う
遮光資材とは、光に対する抵抗力が弱い「育苗期」などの作物を育てる、日除けとして利用するものです。
ネット・カーテンなどのタイプがあり、後付けで施工できるものが多いです。
遮光ネット
遮光ネットは、ビニールハウスの被覆材の外側からハトメ等を使用して装着する外張りタイプと、ビニールハウスの内部に設置する内張りタイプがあります。
ネットは網目になっているため、通気性が保たれかつ日射量を調節することができます。
網目の細かさ(目合い)の細かいものほど遮光率は高くなり、目合いが荒いほど遮光率が低くなります。
通気性はその反対です。
遮光タイプのカーテン
内張り被覆資材で可動式で、環境制御装置という位置づけにもなります。
季節や時間によって開閉作業を行うことで、ビニールハウスに入ってくる日射量をコントロールできます。
(センサーを使った自動開閉タイプもあります。)
ビニールハウスをきれいにする
ビニールハウスは外に面しているフィルム部分は、どうしても汚れやすくなります。
そのままにしているとさまざまな汚れが付着して、光が入りにくくなります。
以前はしっかりと日射が入っていたのに最近は調子が悪いと思ったら、ビニールハウスの汚れもチェックしておきましょう。
毎日掃除ができなくても、定期的に透明感がしっかりと出るように掃除をしておくと光の入り方も変わってきます。
日射センサーを使って毎日確認しよう
日射の状態が良いか悪いかは、見た目だけではあまりわからない部分もあります。
今の状態を知るためにも、日射センサーを使って計測してみましょう。
中でも使いやすく経済的に使える日射センサーを紹介します。
三弘 PV日射センサー PVSS-03
IoTを活用して効率的に日射量の測定ができます。
制御システムへつなぐのも簡単で、使いやすいのも特徴です。
太陽光パネルを利用している
太陽光パネルを利用しているため、外部電源が不要です。
別の表示器や制御装置への設置も簡単
『三弘 PV日射センサー PVSS-03』は、センサーのみのため、表示器や制御装置などに接続して利用します。
直流電圧の出力は0~1Vで、他の日射計に比べると出力が大きく扱いやすいのが特徴です。
建材の影も問題ない
複数接続(アレイ接続)で、建材の影の影響を受けない日射測定が可能です。
さまざまな活用事例がある
『三弘 PV日射センサー PVSS-03』は、さまざまな表示器や制御装置と相性が良く使いやすいです。
これまでも活用事例として、あぐりログやアルスプラウトなどがあります。
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課題感
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まとめ
ビニールハウス内で日射を制御することは、農作物を育てるうえで重要です。
これから農業を始める方は、どの程度日射が当たっているのか測定をして制御していかなければなりません。
どの程度の日射が当たっているのか測定する際に便利なのが、『三弘 PV日射センサー PVSS-03』です。
IoTを活用した農業にもピッタリで、太陽光パネルを使った設計なため、別途電気や電池代金もかかりません。
外部電源が不要で、長期的に使用してもコストが安いです。
表示器や制御装置などに接続する場合も、容易な組み込みで使用できます。
特にこれから農業を始めるため、使いやすい日射センサーが欲しいと思っている方にはピッタリです。
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