産業用ロボットは、あらかじめ特定の動きをプログラミングすることで、単純作業を自動化し、業務を効率化することができます。
現在さまざまな業界で導入されています。
たとえば、工場などで車や電化製品を作るうえでロボットの力を借りることは欠かせません。
そのほか、私たちが日々食べているスーパーやコンビニの食品などの大半はロボットによって作られているものばかりです。
危険な作業なども人間の代わりに実行することができます。
今回は、産業用ロボットと計測技術の関係について説明していきます。
産業用ロボットを導入することで得られるメリット
産業用ロボットを導入しようと思うと、やはりコストがかかってしまいます。
企業などで売り出されている既製品の産業用ロボットは高額なものが多く、自分たちで一から産業に最適化されたロボットを作ろうと思うと莫大な資金をかけなければいけません。
こういった産業用ロボットを導入するうえで気になるのは、果たしてコストに見合ったメリットをもたらしてくれるか、ということでしょう。
ここからは、メリットをいくつか挙げていきます。
生産性向上
まず、産業用ロボットのメリットとして挙げられるのが生産性を高めてくれるところです。
たくさんの従業員を雇えば工場などの大量生産は可能になりますが、莫大な人件費をかけなければいけないでしょう。
たくさんの労働力を一つの機械で補ってくれるのが産業用ロボットの魅力です。
人員配置の最適化
産業用ロボットを導入することにより、いままで人を充てていた作業が自動化できますので
その分、より高度なタスクに注力することができます。
従業員はより創造的な業務に取り組むことができ、スキルや専門知識を活かすことができます。
作業環境の改善
さまざまな業務の中には、危険を伴う作業や過酷な作業もあるでしょう。
いかに高温な場所や有害物質が浮遊しているような環境でも作業ができるのです。
産業用ロボットを導入することで、どのような環境でも従業員の安全性を向上させることができます。
高品質な製品の安定的な生産
産業用ロボットには、高度な制御機能や計測機能が備わっているものが数多くあります。
一定の動作を安定的に続けられ、1mmのズレもない計測ができるため、人の手で作るよりも高品質なものを製造できるのです。
さらに、人の場合は疲労や人為的ミスにより計測ミスを起こすこともあり得ます。
しかし、自動化ができていればミスをすることはありません。
産業用ロボットで自動化することで疲労や人的ミスの影響を受けず、高い精度で作業を行うことができます。
-
IoTの活用で加速する、陸上養殖とは?
養殖といえば、鯛やフグ、ブリやはまちなどの魚の養殖、牡蠣やホタテ貝など貝類の養殖、海苔の養殖などがイメージされます。いずれも海で行われるものと思われていることでしょう。ですが、近年海ではない内陸で生け ...
産業用ロボット導入のデメリットとは
ここまで見てきたように産業用ロボットはさまざまな面でメリットをもたらしてくれる存在です。
しかし、もちろんデメリットも存在します。
導入を考える前にしっかりと検討していきましょう。
導入費用が高額
産業用ロボットは、導入費用が高額なことがほとんどです。
また、関連装置や周辺機器などを入れる場合もあり、自分たちで設定などができない場合には他社に頼むことになりますので、その費用がかかる可能性もあります。
スペースの確保が必要
産業用ロボットは大きなものも多いです。
そのため、ある程度のスペースが必要になります、社内に置くスペースがない場合には別の場所を借りなければいけない可能性もあるでしょう。
不具合への対応
機器に不具合が起こった場合、自分たちで対応することが難しい場合があります。
もちろん、誰か一人でも専門家がいれば問題ありませんが、基本的にいない場合が多いでしょう。
不具合の際には生産ラインなどが止まってしまい、納期が遅れる場合や損害を被る可能性があります。
自動化は万能ではない
自動化が適さない場合もあります、例えば、熟練した職人だけが持っている独特な感覚や細かい技術などは産業用ロボットに習得させるのが難しいです。
また、業務によっては柔軟に対応しなければならず、人間の判断が必要になる部分もあるでしょう。
コスト、作業の性質、労働者の関与などを総合的に考慮する必要があります。
そのため、自動化を行ううえでは、果たしてそれが自社にとって本当に利益をもたらしてくれるのかを吟味する必要があるでしょう。
計測技術の活用例
品質管理
産業用ロボットの計測技術は、部品や製品を検査、測定、ソートする製品の品質管理に活用されています。
産業用ロボットの計測技術によって、製品の寸法、形状、外観などを測定し、品質基準に合致しているかどうかを判定できます。
これにより、一貫性のある高品質な製品を提供することができます。
今作業ラインが流れているスピードは適切か、作業ライン上の温度はどうかなどを計測できるシステムがあれば、最適な環境で製品を作り続けることができるでしょう。
作業環境モニタリング
工場の環境を監視することも、産業用ロボットの計測技術よって可能になっています。
計測技術を使用して、温度、湿度、振動、騒音の数値を測定し、工場内の安全性や作業条件を確保することができます。
これにより、従業員の働く環境を向上もでき、機械の故障や製品の品質低下を防ぐことができます。
-
《おすすめ》温度湿度データロガー8選!使用目的にあった温度湿度ロガーのご紹介
温度や湿度を管理することは感染リスクの低減に繋がります。また、目的に合わせて温度湿度データロガーを活用することで、日常をスムーズにすることも可能です。 温度湿度データロガーは、多種多様な場所と用途で使 ...
-
《おすすめ》温湿度計5選!
温湿度計は、その名の通り温度と湿度を同時に計測するための計器です。 オフィスや店舗だけでなく、住まいの温度や湿度は、快適な暮らしや健康を守るために常にチェックしておくべき数値と言えます。 特に近年の高 ...
位置制御
自動化に伴い産業用ロボットには正確な位置計測と制御が必要です。
そこで計測技術を使用して、産業用ロボットが今いる位置や姿勢を正確に検知し、制御システムにフィードバックすることで、精密な作業を実行できます。
例えば、光学センサーやレーザートラッキングなどの計測技術を使用して、産業用ロボットの位置をリアルタイムで追跡し、目標位置に精度よく移動させることができます。
プロセス制御
計測技術により、製造業においては生産ラインをしっかりと把握して制御できます。
生産ライン上に何がどのくらいの速さで流れているのか、どのくらいの量があるのかも把握できるため、生産効率を上げることも可能です。
例えば、センサーデータを使用して、材料の流量、温度、圧力などを計測し、製造プロセスを最適化することができます。
これにより、生産性の向上やエネルギーの効率化などが可能になります。
まとめ
計測技術は産業用ロボットにおいて欠かせない要素です。
正確な計測と制御により、ロボットは高精度かつ効率的な作業を実現し、工場の生産性や品質を向上させることができます。