風邪を引いた際や喘息になった際に耳鼻咽喉科に行くと、もくもくした煙のようなものを吸入する器具を使ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これこそがネブライザーと呼ばれるものです。
今回はネブライザーについて、そして使い方について徹底解説していきます。
ネブライザーとは何?
ネブライザーは、液体状の吸入薬を霧状にして直接気管支や肺などに薬剤を送るための医療器具です。
主に喘息や気管支炎、肺炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、花粉症といった症状がある方に使用されており、気管、肺、鼻の奥深くへ行き渡らせることが可能です。
これにより、喘息発作の緩和や呼吸器疾患の治療、去痰効果が得られます。
ネブライザーは特別なやり方はなく、普通に呼吸をしているだけで簡単に吸入することができ、薬剤の分量についても個人の体重や年齢によって調整することができることから、小さな幼児から高齢者の方まで安心して使うことができるのが特徴です。
たとえば、幼児でも臭いが苦手でうまくできないという子のために、フルーツの香りがするように工夫されているクリニックもあります。
ネブライザーの種類
ネブライザーはいくつか種類が分かれており、ジェット式ネブライザーと呼ばれるものとメッシュ式ネブライザーと呼ばれるもの、超音波式ネブライザーと呼ばれるものがあります。
これらは、使用目的によってネブライザーの種類を分けて使われるのです。
ジェット式ネブライザー
高速なジェット気流によって圧縮した空気によって、薬剤を霧状するタイプです。
ほとんどの吸入薬に使用することができるため、汎用性が高いというメリットがあります。
一般的には喘息などの気管攣縮発作に対応するために気管支拡張剤を用いる際に使用されます。
ただし、コンプレッサーを使用していることからほかのタイプのネブライザーに比べると、動作音が大きいのがデメリットです。
超音波式ネブライザー
超音波振動子の振動を利用し薬剤を霧状にするタイプです。
パワーがあるものが多く、エアロゾル粒子は1~5㎛と非常に細かいので肺胞レベルに到達しやすいのが特徴となっています。
呼吸器疾患のある方に、粘り気の高い淡などをうまく自分で排痰できない場合の痰除去を目的として使用されることや、術後の肺炭目的で使用されることが多いです。
超音波式ネブライザーは、小型にできるというメリットがあることから、携帯用ネブライザーとしても使えます。
超音波式ネブライザーは、お手入れに手間がかかる点と使用できる吸入薬が限られてしまうのがデメリットです。
メッシュ式ネブライザー
振動などによって薬剤をメッシュの穴から押し出すことで薬剤を霧状にするタイプです。
本体を傾けたままでも使用することができて、寝たままでの体勢でも吸入できることから、入院中や在宅介護の方などに使用されます。
医療者でない方でも使える機器があり、在宅で使用できるものもあるのです。
軽量かつ音も静かというメリットがあります。
超音波式ネブライザーと同様にジェット式ネブライザーに比べると、使用できる吸入薬が限定されてしまうというデメリットもあります。
ネブライザーの使い方とは
- ネブライザーには3種類ありますが、ここでは超音波式ネブライザーの使い方についてご紹介していきましょう。
- ネブライザー本体に物品をセット
ネブライザーに薬液カップとカップスタンドを外し、作用槽へ滅菌蒸留水を入れます。 - 薬液カップとカップスタンドなどの取り付け
薬液カップとカップスタンドを取り付けて、作用槽蓋をしっかり取り付けましょう。
さらに吸気ホースを取り付けます。 - 薬剤の準備
薬液カップへ薬剤を注入し、以上で準備が完了です。 - 噴霧量や風量を調整して、タイマーをセットします。
- 吸気ホースにマウスピース(ノズル)をセットします。
- 本体の電源をオンにして、霧化した薬剤が噴霧されているかをチェックをします。
- 患者にノズルを鼻もしくは口に当てて自然に呼吸するように吸入してもらいます。
- 吸入が終わったらネブライザーを片づけ、部品は説明書などに従って洗浄、消毒、滅菌を行います。
また、ネブライザーを使用する場合、副鼻腔炎などで鼻水が出ている場合はできるだけこまめに鼻をかむようにしましょう。
鼻の通りの良くなったところでネブライザーで噴霧するとより効果的です。
ネブライザー使用の注意点とは?
ネブライザーはどなたでも簡単に使用ができる器具ではあるものの、使用するにあたっていくつか注意点があります。
ここでいくつかの注意点についてご紹介していきましょう。
- 感染予防のためにネブライザーの使い回しはやめましょう。
- 清潔な状態で1人につき1台を使用するのが望ましいです。
- 症状がひどい場合や発作が頻繁に起きている場合は、ネブライザーだけに頼らずに直ちにかかりつけ医の診察を受けましょう。
- 万が一ひどい発作が起きた場合は、吸入してから救急外来を受診しましょう。
- 吸入を行う際は十分に観察を行い、顔色や呼吸の様子などを随時チェックして、悪心や頭痛、呼吸苦などのような症状が出ているようであれば直ちに吸入を中止しましょう。
- 特に超音波式ネブライザーは肺胞レベルまで達したエアロゾル粒子によって、肺胞でのガス交換が阻害されて呼吸苦になる可能性がありますので、十分な観察が必要です。
- 薬剤の量や吸入の回数、間隔はすべて医師の指示通りに行うようにしましょう。
- ネブライザーは洗浄、消毒、滅菌を常に心がけて、清潔に保ちましょう。
- 不明な点があれば医師に相談するようにします。
ネブライザーの選び方
ネブライザーを自宅で使用する場合は、どの種類のものを選べば良いのでしょうか。
まず、ジェット式や超音波式ネブライザーは据え置き型のタイプが多く、重さもあります。
出先で使いたいなど携帯する必要がある場合や、小型の超音波式ネブライザーや軽量かつコンパクトなメッシュ式ネブライザーがおすすめです。
また、動作音が大きなジェット式は深夜での使用などは家族や近所迷惑になることもあります。
集合住宅にお住まいなどで音を気にされる場合は、静音のメッシュ式や超音波式ネブライザーがおすすめでしょう。
また、ジェット式ネブライザーはほぼすべての薬剤を使用することができますが、メッシュ式、超音波式ネブライザーは使用可能な薬剤に限りがあるため、無駄にならないよう、事前に医師に相談されることをおすすめします。
おすすめのネブライザー
ネブライザーの購入を検討されているのでしたら、おすすめのネブライザーがあります。
それが、メッシュ式ネブライザーでの超音波ネブライザー「ネブラーゼディオNEB-02」です。
カスタム 超音波ネブライザ ネブラーゼディオ NEB-02
こちらは、小さなお子様でも使えるようマスク型にもできますし、マウスピースタイプとしても使え、2通りの吸入方法が選べる製品ですので幼児から高齢者まで簡単に利用できます。
従来よりも50%軽量化に成功した商品で、旅行や出張など持ち運びにも便利です。
電池やACアダプターを携帯する必要なく、USB充電が可能で持ち運びにも便利で、出先でも簡単に充電が可能です。
また、吸入能力に応じ噴霧スピードを6パターンから選ぶことができます。
まとめ
ネブライザーは呼吸器疾患やアレルギー性鼻炎など、あらゆる用途で利用できる医療器具であり、小さなお子様からお年寄りまでどなたでも簡単に使えます。
ただし、安易に使ってしまうと効果が得られなかったり、自分が必要とする薬液に対応していなかったりなどといったことがあります。
購入する際は、事前に医師にどのタイプがおすすめかなどを確認するようにしましょう。
また、使用時に体に不調が出ることがないかしっかりと観察したうえで行いましょう。