「酸性」や「アルカリ性」という言葉を耳にしたことがあるという方は多いことでしょう。
ただ、自分の体が「酸性」と「アルカリ性」のどちらに傾いているのかについて、意識したことがあるという方は少ないかもしれません。
健康を維持するためには、PH値を弱アルカリ性にしたほうが良いと言われています。
では、一体どのようにすれば、体のPH値をアルカリにできるのでしょうか。
なぜアルカリ性にすると健康に良いのか気になる方もいるかもしれません。
そこで、本記事では、体のPH値について解説したうえで、体をアルカリ性にする方法やその効果について解説します。
そもそも体の「PH値」とは何か?
最初に、PH値がどのようなものなのかについて解説していきます。
PH値は水の性質を示す単位
PH値とは、「Potential Hydrogen」の省略形です。
「Potential」は素質や潜在能力などを意味する英単語です、「Hydrogen」は水素を意味しています。
日本語では、「水素イオン指数」と呼ばれています。
ちなみに、PHの読み方は「ピーエッチ」、もしくは「ペーハー」です。
このPH値は、水の性質を示す単位であり、溶液中に含まれる水素イオンの濃度のことを表しています。
「酸性」、もしくは「アルカリ性」のどちらなのかを表す尺度として用いられている値です。
PH値は、1から14までの値で示されており、ちょうど中間にあたるPH7は「中性」にです。
PH7よりも大きい場合は「アルカリ性」、反対にPH7よりも小さい場合には「酸性」と判断します。
人間の体液濃度はアルカリ性?
では、人間の体液は、「酸性」と「アルカリ性」のどちらなのでしょうか。
人間の体液は血液や唾液などがあり、各部位によってPH値が異なりますが、「7.35~7.45」程度に保たれていると言われています。
平均すると「7.4」程度となっており、弱アルカリ性です。
ちなみに、PH値が7.35以下になると、血圧低下、頭痛、不整脈、呼吸の乱れ、ショックなどが起こりやすくなります。
反対に、PH値が7.45以上になると、しびれ、痙攣、発汗、意識障害、昏睡などといった症状が起こる可能性があります。
人間の体を正常に維持していくためには、このPH値を一定の範囲内に保つことが重要なのです。
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弱アルカリ性にする方法とその効果
本来、人間の体は弱アルカリ性です。
ただし、酸性食品の取りすぎや食生活の偏り、ストレスや睡眠不足などの影響などによって酸性に寄ってしまうことがあります。
お酒の飲み過ぎやタバコの吸いすぎなども、体が酸性に寄ってしまう原因と言われていますので、飲酒や喫煙の習慣がある方は気を付けたほうが良いでしょう。
最初の項目でも紹介したように、体が酸性化してしまうと、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
酸性に寄っている人は、アルカリ性に戻す対策を採ったほうが良いかもしれません。
人間の体のPH値を弱アルカリ性する方法
人間の体のPH値を弱アルカリ性する方法としておすすめなのは、食事や水分摂取による調整です。
毎日の食事を見直して、野菜やフルーツなどといったアルカリ性の食品(ほうれん草,牛蒡,薩摩芋,人参,里芋等)、果物(メロン,レモン等)、を多く摂るようにしてみてください。
また人間は、水分を摂取しなくては生きていけません。
厚生労働省の資料によると、人間の体の60%は水分で構成されており、1日に「2.5L」の水が必要とのことです。
体内で作られる水が0.3Lであるため、食事では「1.0L」、飲み水では「1.2L」の水分を摂取する必要があります。
水分補給は毎日行うものなので、酸性に寄らないためには、中性やアルカリ性の水を選んだほうが良いでしょう。
おすすめは水道水やミネラルウォーターなどです。
コーヒーやジュースなどの酸性の飲み物には注意が必要!
コーヒーやジュースなどで水分を補給しても良いのではと考える人もいるかもしれません。
コーヒー、お茶、炭酸飲料など飲み物は酸性です。
乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料などのほかに、乳酸、ビタミンC、クエン酸などを多く含んだ飲み物は酸性の飲み物なので注意が必要です。
これらの酸性の飲み物は、摂取量を考慮し飲みすぎには注意をしましょう。
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体のPH値をアルカリにすることで得られる効果
体のPH値をアルカリにすることで、「免疫力の向上」、「美肌」、「疲労回復」などの効果が得られます。
これらの効果について、項目ごとに詳しく見ていきましょう。
免疫力の向上
体をアルカリ性にすることで得られる効果は、免疫力の向上です。
体が酸性化すると、細菌やウイルスなどの病原体が繁殖しやすい状態となってしまいます。
体内で細菌やウイルスがどんどん増殖してしまうと、免疫力が落ちて、病気を引き起こすリスクが高まるのです。
一方、体が弱アルカリ性の状態では、細菌やウイルスなどが抑制されるため、病原菌の繁殖を抑えることができます。
さらに、アルカリ性状態では、白血球や抗体など免疫系の働きが活発化しやすくなるため、免疫力が高まりやすくなるのです。
免疫力が向上すると、風邪、インフルエンザ、がんなどの病気にもかかりにくくなると言われています。
ずっと健康的でいるためにも、できるだけ早い段階から体を弱アルカリ性に保つ対策に取り組んでみると良いでしょう。
ちなみに、免疫力は加齢によっても徐々に衰えていきます。
免疫力のピークは思春期と言われており、20歳を過ぎると少しずつ衰えていくのです。
免疫力が高いのは10~40代の世代です。
年齢を重ねた人は免疫力が落ちやすくなりますので、体を弱アルカリ性にすることをより強く意識したほうが良いかもしれません。
美肌効果
体をアルカリ性にすれば、美肌効果も期待できます。
体が酸性状態になると、皮膚のバリア機能が低下しやすくなるのです。
皮膚は、外からの刺激物が侵入するのを防ぐことや体内の水分が蒸発して失われる役割を担っています。
体が酸性化して皮膚のバリア機能が低下すると、お肌の乾燥や肌荒れなどのトラブルを招きやすくなるのです。
一方、アルカリ性の状態では、皮膚の水分保持能力が高まりやすくなるため、お肌がしっとりした状態になります。
お肌の乾燥やかさつきなどが気になる人は、もしかしたら体が酸性に寄っているのかもしれません。
スキンケア方法を見直すだけでなく、食事や生活習慣も改善して、アルカリ性を保つように対策してみると良いでしょう。
疲労回復
体が酸性状態になると、筋肉や神経に乳酸や尿酸などの老廃物が溜まりやすくなります。
これらの老廃物は、疲労感やコリなどの症状を引き起こす原因となる場合があります。
体が疲れやすい人は、体が酸性化しているのかもしれません。
疲労が溜まると、仕事や勉強のやる気が低下することやストレスの原因となることもありますので、体の疲れを軽く捉えないほうが良いでしょう。
アルカリ性の状態になれば、老廃物の排出が促進されやすくなるため、疲労を感じにくい状態になります。
何をしても疲れが取れないという人は、体をアルカリ性にする対策をしてみたほうが良いでしょう。
おすすめのPH計
アズワン マルチPHメータ 392R
1台でpHをはじめ、温度とORPの測定ができます。
※ORP測定には別売センサー(1-5678-23)が必要です。
測定データの最大値と最小値メモリが表示され、バックライト機能も付いているため、暗い場所でも数値が見えます。
その他にも、データホールド機能やオートパワーオフ機能が搭載されています。
測定範囲は、pH/0~14、ORP/0~2000mV、温度/0~+50℃です。
まとめ
ここまで、PH値の概要、体をアルカリ性にする方法、その効果などを解説してきました。
人間の体液濃度は、もともとはアルカリ性寄りですが、偏った食生活、睡眠不足、ストレスなどが原因で酸性に寄ってしまうことがあります。
体のPH値は、毎日の食事や水分摂取に気を付けることで調整可能です。
体の状態を弱アルカリ性にすれば、免疫力の向上、美肌効果、疲労回復などのメリットが得られるでしょう。
ぜひ体のPH値をアルカリ性にして、健康的な生活を送ってみませんか。
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