風の速さを正確に計測するためには、風速計が必要です。
風速計は、「プロペラ式」、「ベーン式」、「超音波式」といったように種類が豊富なため、使用目的に目的に合ったものを選ばなくてはなりません。
今回は、風速計の概要や選び方のポイントをお伝えしたうえで、おすすめの風速計を紹介していきます。
そもそも「風速計」とはどんなものか?
風速計は、風速や風量などを測定するために用いる装置のことです。
気象観測や環境調査のほか、大気拡散観測やクリーンルームの空気環境調査など、さまざまな目的で風速計が用いられています。
風速計の種類や特徴について
風速計には、「熱式風速計」、「ベーン式風速計」、「風杯型風速計」などといったように、たくさんの種類があります。
タイプごとの風速計の特徴は以下の通りです。
熱式風速計
熱式風速計は、センサーの温度変化を利用して風速を測定する方式です。
通電させて温まったセンサーへ風を当てて冷却すると、電気抵抗が変化します。
その電気抵抗を測定することによって、風速を割り出す仕組みです。
風向に左右されることなく、精密な測定ができるのが熱式風速計の特徴です。
ただし、長時間の連続測定が難しいというデメリットがあります。
また、大気中に含まれる埃や塵の影響でセンサーが壊れやすいため、屋内の測定に適しています。
ベーン式風速計(プロペラ式風速計)
ベーン式風速計は、プロペラ式風速計とも呼ばれています。
風をプロペラへ当てて、その回転速度から風速を測定する方式です。
シンプルな構造となっているため、比較的安価で入手できます。
微風の検知は難しいですが、軽量でコンパクトサイズとなっているため、お手軽に風速測定が行えます。
風杯型風速計
風杯型風速計は、風を受けた風杯が回転することで風速を測定する方式です。
風杯の回転数を歯車式機構や発電機などで測定することで、正確な風速を算出します。
風の変化に対する応答性が高く、回転数が風向に依存せずに測定できるのが特徴です。
風向風速計
風向風速計は、風を受けたプロペラの回転数によって風速を測定する方式です。
本体に、プロペラや垂直尾翼などが取り付けられており、飛行機のような形状をしています。
風速のほかに、風向も計測可能です。
三次元超音波式風速計
三次元超音波風速計は、風速の変化による音速の変化量を測定することによって風速を測定する方式です。
水平方向や上下方向など3次元の風光を測定できます。
精密な測定が行えることから、大気拡散観測や極地気象測定などで用いられることが多いです。
風速計選びのポイント
風速計は種類が豊富なうえに、各種類によって搭載している機能も異なります。
どれを選んだら良いのかで迷ってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には、以下のポイントに注目して選んでみると良いでしょう。
「屋内」と「屋外」のどちらで使用するのか
風速計は、屋内向きや屋外向きなどがあります。
屋内で使用するのであれば、熱式風速計が最適です。
屋外で使用するならば、風杯型風速計や風向風速計が使いやすいでしょう。
ベーン式風速計や超音波風速計は、屋内と屋外のどちらにも適しています。
使用場所に合った風速計を選ぶ
気象観測や環境調査をメインとする場合は、ベーン式風速計や風向風速計が最適です。
建物内やクリーンルームなどの環境調査で用いるならば、熱式風速計が使いやすいでしょう。
工事現場の安全管理や大気拡散観測などのように、より精密な測定をしたい場合には、超音波風速計が向いています。
おすすめの風速計5選!
ここからは、おすすめの風速計を紹介していきます。
カスタム 風速計 CW-10
風速計CW-10は、ベーン式風速計です。
大きなディスプレイ画面が搭載されており、一目で風速を確認できます。
風速のほかに、周囲温度の測定も可能です。
お手頃価格ではありますが、体感温度や風力階級測定、アベレージ表示、MAXHOLDなどの豊富な機能を搭載しています。
ハンドストラップが付いていますので、測定の際にうっかり落としてしまう心配がありません。
本体サイズは、W144mm×H47mm×D26mm、重さは約90gです。
折りたたみが可能な軽量サイズなので、気軽に持ち出せることでしょう。
お手頃価格で、簡単に取り扱える風速計をお探しの方におすすめです。
カスタム 風速計 CW-20
風速計 CW-20は、熱線式一体型デジタル風速計です。
ディスプレイは、風速と周囲温度のデュアル表示です。
体感温度測定、測定値を固定表示するHOLD機能、アベレージ(10分間の平均値)表示などの機能を搭載しています。
メモリ機能も搭載しており、最大値や最小値などの情報も記録しておけます。
ストラップ付きなので、安定した状態で計測が行えるでしょう。
屋内で正確な測定を行いたい場合におすすめの製品です。
佐藤計量器 風速計ミニ PC-52D 7650-10
風速計ミニ PC-52D 7650-10は、佐藤計量器から発売されているベーン式風速計です。
風速1.1~15.0m/sまでの測定が可能となっています。
多彩なデジタル表示(メートル/秒、ノット、時速、ビューフォート風力階級、マイル/時、フィート/分)です。
重さが約54g(電池含む)という超軽量サイズなので、長時間の測定でも疲れる心配がありません。
ハンドストラップや取扱説明書のほか、コイン形リチウム電池 (CR2032)も付属されています。
風速計の取り扱いが初めてという方にもおすすめの製品です。
佐藤計量器 風速計ミニ PC-53D 7650-20
風速計ミニ PC-53Dは、佐藤計量器から発売されているベーン式の超小型風速計です。
風速のほかに、温度や湿度なども測定可能です。
外部センサーが付いていますので、液体や土の中の温度測定も行えます。
搭載機能は、露点や湿球温度表示などの演算機能、ホールド機能、最高値表示機能、ローバッテリーマーク表示機能などです。
オートパワーオフ機能を搭載していますので、うっかり電源を切り忘れてしまっても、バッテリーを無駄に消費してしまう心配がありません。
本体サイズはW44mm×H130mm×D16mm、重さは約57g(電池含む)です。
手のひらサイズとなっていますので、取り扱いしやすいでしょう。
付属品は、ハンドストラップ、外部センサー、コイン形リチウム電池 (CR2032)、取扱説明書です。
佐藤計量器 風速計 SK-93F-II 7687-10
ベーン式風速計 SK-93F-IIは、風量、風速、温度などの測定が可能な製品です。
耐久性に優れたハードキャリングケースが付属しますので、屋外にも気軽に持ち出すことができるでしょう。
電源は、9V乾電池6F22(006P)を使用します。
電池寿命は、最大で約100時間となっていますので、長時間の風速測定にも向いている製品です。
オートパワーオフ機能を搭載し、15分以上使用しない場合は自動で電源が落ちる仕組みとなっています。
ベーン式風速計 SK-93F-IIには、ACアダプタやRS-232C接続ケーブルなどの別売りオプションも揃っています。
これらのオプションを使えば、計測データをパソコン上へ取り込むことができ、リアルタイムでの監視が可能です。
精度の高い風速計をお探しの方におすすめの製品です。
風速計についてのまとめ
ここまで、風速計の種類や選び方のポイントなどについてお伝えしてきました。
風速計は、ベーン式(プロペラ式)、風杯型、熱式、三次元超音波式などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
本記事で紹介した風速計の情報も参考にしながら、使用目的に適した製品を選んでみてください。